Apr. 21, 2014

制作者インタビュー「JRA×進撃の巨人(2013年)『進撃のジャパンカップ』『進撃の有馬記念』」

「公式が病気」「JRAの本気が凄い」と言われた人気アニメとの大型コラボレーション施策の裏側

JRA(日本中央競馬会)が毎年11月に開催するGIレース「ジャパンカップ」、および12月のGIレース「有馬記念」をプロモーションする施策に、AID-DCC Inc.が参加。より多くの競馬ファンを獲得するために、人気アニメ『進撃の巨人』(講談社/原作:諫山創)とのコラボレーションを実現した。いかにして競馬と巨人が融合したのだろうか? ©諫山創・講談社/「進撃の巨人」製作委員会

取材・文:遠藤義浩

なぜ人気アニメ作品とコラボレーションしたのか?

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―企画がスタートした経緯について教えてください。
関賢一(以下 関):2013年7月下旬に、電通のクリエイティブディレクターの森田章夫さんからJRAさまのキャンペーンプランニングに関するご相談をいただきました。キャンペーン対象は毎年11月に開催されるGIレースであるジャパンカップと、12月に開催される1年の最後を飾るグランプリレースの有馬記念で、競合プレゼンテーションでした。9月初旬のプレゼンテーションに向けて、電通と一緒に、企画を練り出しました。
今回の制作に関わったメンバーたち。前列左から山中雄介(プロデューサー)、松本晃次郎(プロジェクトマネージャー)、小山大輝(ディレクター)、板垣奈生子(プロジェクトマネージャー)、中村武志(フィルムディレクター)、中山健次郎(デザイナー)、関賢一(プロデューサー)、奥田正和(デザイナー)、谷口恭介(クリエイティブディレクター)、大橋將史(デベロッパー)、イズカワタカノブ(システムエンジニア)、田中陽(デザインエンジニア)

今回の制作に関わったメンバーたち。前列左から山中雄介(プロデューサー)、松本晃次郎(プロジェクトマネージャー)、小山大輝(ディレクター)、板垣奈生子(プロジェクトマネージャー)、中村武志(フィルムディレクター)、中山健次郎(デザイナー)、関賢一(プロデューサー)、奥田正和(デザイナー)、谷口恭介(クリエイティブディレクター)、大橋將史(デベロッパー)、イズカワタカノブ(システムエンジニア)、田中陽(デザインエンジニア)

谷口恭介(以下 谷口):JRAさまからのご要望は、「インターネット上で話題が最大化するコンテンツを」ということで、11月のジャパンカップを皮切りに、翌月の有馬記念で話題の頂点が迎えられる施策でした。有馬記念が「グランプリ」と呼ばれるだけあって、「お祭り」にふさわしい盛り上がりの提供が課題の根幹でした。

より多く、幅広いユーザー層へ訴求するために、もっとも勢いがあり、かつネット上でも二次創作が盛んで話題になりやすい『進撃の巨人』とタイアップできれば、インパクトのあるコンテンツが作れると考え、コラボレーション案をご提案しました。

フェーズ0から1まで(「進撃のジャパンカップ」公開)の歩み

全体の企画をフェーズ別で分けた工程表。「進撃のジャパンカップ」が終わるまでをフェーズ1、それ以降は有馬記念に向けての各種企画を実施。2013年12月27日まで、有馬記念後の数日までをフォローしたうえで公開は終了した

全体の企画をフェーズ別で分けた工程表。「進撃のジャパンカップ」が終わるまでをフェーズ1、それ以降は有馬記念に向けての各種企画を実施。2013年12月27日まで、有馬記念後の数日までをフォローしたうえで公開は終了した

―競合プレゼンテーションを経て、企画化が決定したわけですね。ここからは実際の工程表をもとに、フェーズごとに話を伺います。
谷口:10月頭から本格的に制作を始め、11月17日に「進撃のジャパンカップ」を公開することが喫緊のミッションとなりました。制作チームは、提案時のVIDEOコンテ(以下Vコン)を元にたくさんのバリエーションのシナリオを作り、制作関係者全員が共通のゴールを描きやすくするようにしました。
関:競馬を熟知したコピーライターの堤藤成さん(電通)とクリエイティブディレクターの森田さんにスクリプト(脚本)を起こしていただき、それをもとに、弊社中村武志がフィルムディレクターの立場で映像化していきました。
―クリエイティブは、アニメーションとインタラクションの2つの柱が存在することとなります。先にアニメーション制作についてのお話を伺います。
谷口:仕上がりが、“全力でボケる”内容になっていることを意識しました。ユーザーには発信力があります。オリジナルの『進撃の巨人』にまつわるネタをたくさん仕込みつつ、ユーザーがツッコミを入れながらネタにして楽しんでもらえたらと考えたわけです。
中村武志(以下 中村):約10日かけてアニメーションの全25話と設定書を幾度も見直しながら、素材として使えるカットをリスト化しました。馬が登場する回は全話のうち5分の1ほどに限られるため、馬に乗っていないシーンでも活用できるかもしれない場面はこまめに集めました。例えば、キャラクターの表情のみのカットや、「今だ!」「急げ」「まだか」「考えろ」といった台詞など、切り貼りできる映像と音声素材を集めきるようにしました。

目安となるVコンを作成したら、それをもとに背景の競馬場をどれほど描き起こす必要があるかを検証しました。ジャパンカップの段階ではナレーション以外の声優さんが参加する前だったため、背景以外の表現を元素材のみで構成する必要がありました。いかに元素材を組み合わせることで魅力を最大に引き出せるかに注力しました。
元のアニメーション素材をすべて見たうえで、クリエイティブに活用できる場面を集めていく。キャラクターが馬に乗っている場面をはじめ、関係ない場面でも応用できないかという観点で素材を検証し、リスト化して管理した

元のアニメーション素材をすべて見たうえで、クリエイティブに活用できる場面を集めていく。キャラクターが馬に乗っている場面をはじめ、関係ない場面でも応用できないかという観点で素材を検証し、リスト化して管理した

―インタラクションについてはいかがでしょうか。
谷口:提案時から、映像の中にインタラクション要素として複数のミニゲームを挿入する予定でいました。ジャパンカップと有馬記念との棲み分けを考えると、前者は、有馬記念に向けてのティザーとしての役割も兼ねていました。また、世界中から馬が集結した“ジャパンカップ”というレース自体の意味も尊重して、ここでは『進撃』代表として主人公のエレン・イェーガーをメインに据えたコンテンツを用意しました。ミニゲームは、ストーリーに沿っていること、PCでもスマートフォンでも遜色なくプレイできることを鑑みて、リズムゲームとマウスをクルクルとまわすゲームの2種類を盛り込みました。
田中陽(以下 田中): 後に控える「進撃の有馬記念」では、さらにキャラクターを選択できるようにしてボリュームが多くなる予定でした。ただジャパンカップで実装するボリュームも、けっして少なくありません。最初に公開するコンテンツなのでインパクトは重要ですし、より慎重に進める必要がありました。
「進撃のジャパンカップ」では、一度目のインタラクションで「成功」「普通」「失敗」の3つの結果を用意。二度目のインタラクションで「成功」「失敗」を用意して、合計で6パターンのストーリーを楽しめるように構築。あとはゲームの結果にあわせて、プログラムで映像を出し分けて再生した

「進撃のジャパンカップ」では、一度目のインタラクションで「成功」「普通」「失敗」の3つの結果を用意。二度目のインタラクションで「成功」「失敗」を用意して、合計で6パターンのストーリーを楽しめるように構築。あとはゲームの結果にあわせて、プログラムで映像を出し分けて再生した

谷口:ユーザーはエレンとして参加します。Webの絡んだ施策の醍醐味は双方向性です。決められた映像を流すだけではなく、参加感を味わえるようにインタラクションの要素を複数設けることは決めていました。当初は3箇所で考えていましたが仮で作ってみると、3回の中断は一本を通して見たときにブツ切り感が目立ちました。そこで制作時間も加味して、最初のインタラクションの結果のパターンを3つ(「成功」「普通」「失敗」)用意することで、ストーリーのバリエーションを確保するようにしました。
ゲームはパラメータで難易度調整ができるようにしている

ゲームはパラメータで難易度調整ができるようにしている

田中:ゲームの実装では、クリエイティブディレクターや直接の実装者でない人でも、パラメータで難易度を調整できるようにしています。
大橋將史(以下 大橋):田中がPC向けを担当して、私がスマートフォン向けの実装を担当しました。PCとスマートフォン向けとでは、注意する点が異なりますが、体験は同じにならなければなりません。スマートフォンでの得意、不得意の動きは、当然PCのそれらと異なります。スマートフォン独自の難易度調整と機種別の細かな対応、それらをスケジュール内にミスなく仕上げて公開することを徹底しました。
山中雄介:「進撃のジャパンカップ」では、ゲーム結果の分岐別のほかに、冒頭と終盤に共通のムービーが入ります。合計で10本の映像を用意しました。
―フェーズ1はフェーズ4の布石として、ユーザーからの反応が気になるところだったと思います。
谷口:その点では、公開当初からとてもいい感触を得ることができました。2013年11月17日正午に公開して、14時あたりにクライアントからニュースリリースを出していただき、夜にはYahoo! JAPANのエキスパンドバナーが配信されました。当日の夜から徐々に反応があるだろうと予想していたら、ニュースリリースの配信直後からSNSで爆発的にシェアされ、Twitterのトレンドワードで1位になるほどの反応がありました。それほど、『進撃の巨人』というコンテンツの凄みを改めて感じると同時に、反響の高さ=今後もユーザーの期待にしっかり応えなければいけない、という使命感が強まりました。
「進撃のジャパンカップ」は、公開まもなくのニュースリリース直後から大きな反響を得ることができた

「進撃のジャパンカップ」は、公開まもなくのニュースリリース直後から大きな反響を得ることができた

一度生まれた盛り上がりを持続する企画の実行(フェーズ2)

―フェーズ2では、キャラクター投票を展開することとなりました。
谷口:当初はジャパンカップ直前と有馬記念直前の2箇所で話題の山を設計していましたが、クライアントからその間も話題化の機運を持続したい、というオーダーがありました。ちょうどその間にあたる時期は、実際の有馬記念の人気投票が行われて、2013年12月5日に投票結果が発表される時期でした。ですので、その投票にあわせて、サイト上でも『進撃の巨人』のキャラクター投票を受け付け、有馬記念の結果発表の翌日に、『進撃の巨人』の世界観でキャラクター編のランキング発表をすることにしました。実際の有馬記念の出走馬にも注目してもらうことにつながればと考えたわけです。
フェーズ2で用意した、キャラクター別の投票画面より。『進撃の有馬記念』に向けて、人気キャラクターの投票を用意。1人10票までを自由に投票することができる

フェーズ2で用意した、キャラクター別の投票画面より。『進撃の有馬記念』に向けて、人気キャラクターの投票を用意。1人10票までを自由に投票することができる

関:投票は、『進撃の巨人』のキャラクターを20人用意して、1~20位までを決めるというものです。20人の中にはサブのキャラクターも交じっており、その中のハンネスさんを1位にしよう、という動きがWeb上で起きました。
人気投票を始めると、ハンネスを1位に、という動きが!

人気投票を始めると、ハンネスを1位に、という動きが!

関:「2ちゃんねる」上で“ハンネスを1位にしよう”というスレッドが立ち、すぐにハンネスを1位にする自動投票プログラムまで開発されていました。
谷口:過去にもWeb投票で、「○○を1位にしよう」という、いわゆる「祭」が起こって盛り上がった事例があったので、そのようなノリはある程度想定していました。ただ、ユーザーのみなさんがネタとしてやっていることですので、運営側がそこに水を指すようなことはしないでおこう、というのがクライアント含めた僕らの総意でした。むしろ、そうした現象にノリよく乗っかることで、Webならではのユーザーとのコールアンドレスポンスの盛り上がりを加速させたいと心がけていました。有馬記念も1年の競馬レースの中の「祭」ですので。
イズカワタカノブ(以下 イズカワ):サーバはAWS(Amazon Web Services)の AutoScaling を利用していて、大量のアクセスに備えて最大で 10 台以上スケールアウトできるように準備していました。これでユーザーのみなさんが作り出した結果に水を差すことも防げます。投票開始したら、1日あたり軽く2、3億票が入る状態でした。
谷口:投票のルールは、有馬記念と同じになることを意識して、1人につき10票までとし、投票したい馬の重複も可としました。有馬記念は投票結果の人気順通りに出走するわけではなく、ローテーションの都合で出場を回避する馬が出てきます。リアルの結果内容を意識しながら、どうしても順位どおりに準備できないキャラクターは出てくるので、有馬記念の出走ルールのような世界観でユーザーにもご納得いただける結果の反映方法を意識しました。

ユーザーと一緒に作り上げたフェーズ3

―そしてフェーズ3で、投票結果を発表することになるわけですね。
関:12月5日の有馬記念ファン投票の結果発表を受けて、キャラクターのランキング結果や出場キャラクターを発表しました。内部では「意気込み動画」と呼んでいたムービーを、キャラクターごとに用意するようにもして、声優さんをアサインして新規の録音もさせていただきました。
谷口:キャラクター人気投票の結果、ハンネスさんは約67億票を獲得して圧倒的1位になったのですが(笑)、残念ながら元素材などの兼ね合いでハンネスを出場させられませんでした。そのかわり、「ハンネスは辞退」というサイトコンテンツを作って新聞風で伝えたり、事前の想定では予定になかったハンネス担当の声優さんにもご協力いただいて、辞退映像も作りました。
投票で1位となった結果にあわせてコンテンツを作り、投票結果を巡るリアルな内容をユーザーと分かち合えるようにした

投票で1位となった結果にあわせてコンテンツを作り、投票結果を巡るリアルな内容をユーザーと分かち合えるようにした

―フェーズ3では、Gifアニメーションジェネレータ「進撃の有馬記念をつくろう」も公開しています。
関:いわゆる二次創作的なものを誘発できればという狙いから用意したものです。素材となるシーン、ループ素材を提供して、競馬場の背景にキャラクターを乗せていくというものです。
パラパラアニメを作れるジェネレータ「進撃の有馬記念をつくろう」。BGMをつけられるほか、作ったアニメがFacebook上などでシェアできる

パラパラアニメを作れるジェネレータ「進撃の有馬記念をつくろう」。BGMをつけられるほか、作ったアニメがFacebook上などでシェアできる

谷口:もともとの『進撃の巨人』人気には、二次創作的な面も大きいですよね。pixivやニコニコ動画には、加工したイラストやMAD映像などがあふれています。今回提供しているレースはプル型(受動的に楽しむコンテンツ)であるなら、「進撃の有馬記念をつくろう」はプッシュ型(発信して楽しむコンテンツ)。ユーザーから作り出して発信できる要素も用意したかったのです。
―ほかにも、「現在公開可能な情報」というコンテンツも制作、公開しています。
アニメ『進撃の巨人』風にデザインしながら、イラストを起こしていった

アニメ『進撃の巨人』風にデザインしながら、イラストを起こしていった

中山健次郎:漫画であれば回と回をはさむページに、アニメーションだとテレビCMの前後で流れる「現在公開可能な情報」をパロディ化しながら、有馬記念に関する情報を確認できるコンテンツを設け、私はそのデザイン全般を担当しました。制作では、テレビ用の素材を活用したり、『進撃の巨人』風の世界観にマッチした仕上がりで新たに電車などのイラストを描き起こしたりしました。

プロジェクトの集大成を飾るフェーズ4での実行力

―いよいよ有馬記念を迎えるフェーズについてです。
谷口:「進撃のジャパンカップ」公開後のユーザーの反応から、かなりの流入数があるだろうと予想できました。だからこそ、ここでは短期間の制作時間でいかにユーザーがシェアしたくなるツッコミ要素をどれだけ量産できるかが勝負でした。映像については、中村が中心になって、ユーザーが突っ込めるような要素をいたるところに散りばめたものを作りあげてくれました。映像のパターンは、勝ち負け(成功or失敗)で合計14を用意しました。
「進撃の有馬記念」では7人のキャラクターを選択できる。ゲームの勝ち負けでそれぞれの映像が用意されている

「進撃の有馬記念」では7人のキャラクターを選択できる。ゲームの勝ち負けでそれぞれの映像が用意されている

―先にアニメーションについて伺います。ジャパンカップの時との違いについてはいかがでしたか?
中村:主役キャラクターのエレンのほかに、各キャラクターの映像を作ることですね。有馬記念では7キャラクターの勝ち負けそれぞれの映像、合計14パターンを用意するわけですが、どのキャラクターにおいてもバランスよくストーリーに厚みを持たせることが必須であると考えていました。ただし、サブキャラクターはどうしても元素材が少ない。少ないから尺が短くていいわけではないので、他よりも会話のシーンを増やしたり、BGMを変えてみたりして、該当するキャラクターが際立つ工夫をしました。

あと、競馬場の違いにも対応しています。ジャパンカップはコースが左回りで、有馬記念は右回りになります。従って、カーブの場面はすべて差し替えです。最終的には、背景が空や芝のみのカット以外、ゴール板や観客席などを含めて、ほぼ8割は中山競馬場に基づいて新たに描き直した背景素材を使いました。競馬ファンやアニメファンの双方を失望させないために、リアルで繊細な制作、構成を心がけました。
左がジャパンカップ、右が有馬記念のカーブの場面。実際の競馬場で行われるレースにあわせて背景部分は描き直している。全体では約150ほどのカットを新たに描き起こしている

左がジャパンカップ、右が有馬記念のカーブの場面。実際の競馬場で行われるレースにあわせて背景部分は描き直している。全体では約150ほどのカットを新たに描き起こしている

―サイトの実装面ではいかがだったでしょうか。
田中:フェーズ3でのコンテンツを一通り公開してから、実装に取り掛かりましたが、用意するゲームの数は多かったものの、ジャパンカップほど分岐がなかった点や最後のフェーズだった点は、開発に専念しやすかったです。このフェーズ4が、もっともユーザーを動員したいフェーズですので、滞りなく制作することが特に求められました。
大橋: スマートフォン向けは機種別の検証になるので、非常に時間がかかりました。例えば、iPhoneでは動いてもAndroidだと動かないケースはよくありました。ただ、検証する数が多かったからこそ、一つひとつを丁寧に対応することを心がけましたし、それが弊社らしさにもつながればと思います。
―ユーザーからの反響が大きいプロジェクトだったわけですが、サーバまわりについては、どのような体制を敷いていたのでしょうか。
イズカワ:人気アニメとのコラボレーションでしたので、非常に大きな負荷がかかることが想定されました。各フェーズでそれぞれ多くのユーザーに対して、スムーズに対応できることを目指しました。例えば、更新タイミングはフロントサイドとサーバサイドとが同時に行わないと辻褄のあわない瞬間が出てきてしまいます。ですので、バックエンドの担当者として、フロントで実装している田中、大橋とのコミュニケーションを欠かしませんでした。その成果として、公開以降も大きなトラブルに見舞われることがありませんでした。

「進撃の巨人」とのコラボプロジェクトの成果や総括について

―全体を通して、クライアントからはどういった反応がありましたか。
関: 例年より売上や来場者数がしっかりとアップしたという結果が出ました。なによりアクセス解析からは、幅広い層にリーチしたという、企画意図に沿った結果も出ていましたので、クライアントさまにも喜んでいただけたと思います。
―最後に、全体の総括をお願いします。
谷口:約40日という短いキャンペーンでしたので、制作期間の確保が難しかったのは確かですが、巨大キャンペーンで大きなシステムを抱えながらもフットワーク軽くやり切れた点が成果につながったと思います。あらかじめ決められたことをやるのは安全である一方で、既定路線の実行だけでは、Web体験の醍醐味であるコールアンドレスポンスがそがれてしまいます。Webを巻き込んだ施策であることを意識して開発を進めたことが、タイアップというパワーと組み合わさって、波及性の高い施策へとつながったと考えます。

遠藤義浩

編集者。月刊誌『Web Designing』(マイナビ)など、主にWeb関連をテーマに扱う媒体で編集を務める。

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