Dec. 27, 2013

制作者インタビュー「Yahoo! JAPAN さわれる検索」

「必要な人に届けたい」思いを形に
世界初、検索結果が「さわれる」次世代検索マシンを公開

Yahoo! JAPANの広告の未来を描くプロジェクトにAID-DCC Inc.が参画した。インターネットに「触る」という感覚を持ち込んだコンセプトモデル「さわれる検索」を企画開発。音声入力により認識された検索キーワードが、実際に立体物として生成されるユニークな検索サービスだ。制作スタッフや関係者のみなさまに、それぞれお話をうかがった。

http://sawareru.jp/

取材・文:遠藤義浩

「広告の未来」から着想された新しい検索のカタチ

sawareru
―「さわれる検索」が生まれた背景について教えてください。
富永勇亮(以下 勇亮):2013年5月17日に、博報堂ケトルのクリエイティブディレクターである橋田和明さんから、Yahoo! JAPAN(ヤフー)さまの競合プレゼンテーションに関するお話をいただいたのがスタートです。ヤフーさまからは同社の「アート&サイエンス」というビジョンに基づいて、“未来の広告” “未来のネット”、“未来のマッチング”をテーマにした課題が提示されて、このテーマに適ったプロジェクトを実現してほしい、ということでした。

そうした狙いに合致できる企画を作るべく、博報堂ケトルの畑中翔太さんや清水千春さんらとともに、1カ月あまりの間にたくさんの企画を考え、最終的に二つのプランに絞って提案した結果、ヤフーさまに「さわれる検索」を採用していただき、実現へと至りました。
左上から富永勇亮(プランナー)、関賢一(プロデューサー)、上條圭太郎(プロデューサー)、Saqoosha(テクニカルディレクター)、大橋將史(サウンドデザイナー)、田中陽(デザインエンジニア)、谷口恭介(クリエイティブディレクター)、高谷優偉(デザイナー)、中山健次郎(デザイナー)、北井貴之(3Dプリンティングディレクター)、イズカワタカノブ(システムエンジニア)、森研治(デベロッパー)、波多江友香(デベロッパー)、松本晃次郎(アシスタントプロデューサー)、長谷川希木(アシスタントデベロッパー)

左上から富永勇亮(プランナー)、関賢一(プロデューサー)、上條圭太郎(プロデューサー)、Saqoosha(テクニカルディレクター)、大橋將史(サウンドデザイナー)、田中陽(デザインエンジニア)、谷口恭介(クリエイティブディレクター)、高谷優偉(デザイナー)、中山健次郎(デザイナー)、北井貴之(3Dプリンティングディレクター)、イズカワタカノブ(システムエンジニア)、森研治(デベロッパー)、波多江友香(デベロッパー)、松本晃次郎(アシスタントプロデューサー)、長谷川希木(アシスタントデベロッパー)

勇亮:“未来”のことを考えるので、一つのアプローチとしてすぐに浮かんでくるのが、企画に3Dプリンタをはじめとした最新テクノロジーを絡めることです。ただし、最新技術を使っただけでユーザーが興味を持つわけではなく、ユーザーへのインサイト(洞察)と結びついて初めて意味が生まれ、効果がもたらされます。また、世間で注目を浴びている技術だからこそ、使い方に関しては慎重にならざるを得ない部分があります。そこは重々承知しながら、3Dプリンタを活用するに至った理由の一つが、橋田さんのお話に共感できたからです。
橋田和明:ちょうどプランニングをしている時期に、3Dプリンタによる銃製造のニュースがありました。進化した技術が悪用される場合が出てきます。例えば、手塚治虫の漫画でもよく描かれていますよね。発明者と使用者との考え方やスタンスのギャップから、新発明が悪用されてしまう。やっぱり、そういうのは悲しいことじゃないですか? だからこそ、3Dプリンタ のような新しい技術の文脈を、良い方向に持っていきたい。それが「インターネットの未来」につながるかもしれない、と思いました。

「触る」を検索できるようにするためのスタートライン

―「触る」という行為を検索できるための表現として、今回は3Dプリンタを導入されたわけですが、どのような動きから始めたのでしょうか。
関賢一:この企画を思いついた時は、3Dプリンタについてはほぼ無知でした。フィージビリティ(実現性、検証性)チェックのために知人の会社で3Dプリンタを体験させてもらったり、運良くそのタイミングに開催していたイベントに行ってみて、メーカーの方々に詳しくヒアリングして、企画に使えそうな3Dプリンタを検討しました。企画がかなり成熟し出した頃にはセールストークができるくらい、さまざまな3Dプリンタについて詳細に調べました。
田中陽(以下 田中):そこで、3Dプリンタ制御まわりのソフトウェアがオープンソースになっていることが決め手となって、今回はMakerBot社の「Replicator 2」という3Dプリンタを導入しました。最初は、どれほどのデータ容量でどのくらい出力に時間がかかるかがつかめていなかったので、テストとして3Dデータを扱うコミュニティから容量の大きめなデータをダウンロードし、それを試験出力してみました。すると、出力を始めた夜から翌朝になっても半分程度しか出力されず、完了が夕方までかかりました。また、Replicator 2はオブジェクトで宙に浮いている箇所を出力する場合、その部分を支える土台も出力するという仕組みであることを知ります。まずはテストを通して、データ容量が大きいと想像以上に出力時間がかかることや、出力後に土台として出力されたサポート材をはがす必要が出てくることを把握しました。
3DプリンタのReplicator 2で出力したサンプルより。サポート材とともに出力されるため、出力後にサポート材をはがすというひと手間が必要になる

3DプリンタのReplicator 2で出力したサンプルより。
サポート材とともに出力されるため、出力後にサポート材をはがすというひと手間が必要になる

Saqoosha:テストの結果に関係なく、当初は3Dプリンタを導入することに現実感を持つことができませんでした。世の中に広く普及しているわけではなく、どのような3Dデータでも出力できるわけではない未成熟な状況で、「本当にやっていいものか」という自問自答が、僕の中では最後の最後まで続きました(笑)

「触る」という新たな検索概念がインターネットや広告の「未来」につながる

―それでも3Dプリンタの導入に踏みきったのは、「触る」という新たなカテゴリで検索できるようにしたいからですよね。
勇亮:これまでのインターネットでできることは、文字情報を取得するほかに、映像を見たり音楽を聞けたりという、視覚や聴覚に訴求する行為でした。そこに今までなかった「触覚」を加えられれば、利用者に「インターネットの未来」を感じていただけるのではないか。これが着想の源です。例えば、新車種の形状を調べることに活用できる。それがスマートフォンなどのデジタル製品などでもいいでしょう。3Dデータの新たな使い方を提案し実践できれば、3Dプリンタの普及にも寄与できるかもしれません。
―さらに、広告の可能性にもつながっていく、と?
勇亮:視覚や聴覚以外に「触る」という感覚を検索できれば、そのまま「広告の新たな枠の創出」の道筋につながるはずです。もちろん、言っているだけでは可能性があるという話のままです。そこで、特に触れることを必要としている方々が誰だろうと考え始めた末、盲学校に通うみなさんは、触る行為に大きな必要性を感じてくださるかもしれない、と思い至ったわけです。

実際に、プロジェクトのメンバーが何校かの盲学校にヒアリングに伺いました。なかでも、前向きにご反応いただけた筑波大学附属視覚特別支援学校には、今回のプロジェクトの具体化にさらにご協力いただくこととなりました。
―「触る」ことのニーズについて、具体的にどういった場面で必要となるのでしょうか。
上條圭太郎(以下 上條):例えば、おたまじゃくしが孵化していく様子や、消化器系の内臓を説明するのに、理科の先生が紙粘土で模型を作り、触覚を通してそれらを子どもたちに伝え、教えているそうです。
勇亮:盲学校について調査を続けるなかで「触察」というキーワードがあることを知りました。“触ることによって視る”ということを意味する言葉で、先ほどの孵化の様子や内臓の説明にも、「さわれる検索」が実現できれば役立ちそうです。
上條:肯定的な反応ばかりではなく、あるヒアリング先の学校からは、厳しい意見も頂戴しました。出力後にサポート材をとらなければならない面倒さや、形状を確認できても、柔らかさや固さといった質感の見極めができない不備、弱視の子どもたちは色の判別ができるので単色の再現では厳しいなど、子どもたちに間違った認識を植えつけてしまう可能性があるという意見も寄せられました。
勇亮:常日頃から子どもたちと接していらっしゃるからこその意見でした。僕たちが「見えない方にとって、触れれば役立つはず」と思い込んでいるだけではいけないことを再認識できました。一方で、多くの教員の方々がすでに3Dプリンタに興味を抱いていらっしゃることも確認できました。

なぜ「さわれる検索」の筐体が雲っぽい?

―具体的な制作についても教えてください。
高谷優偉(以下 高谷):まず筐体のデザインについては、全体のコンセプトを顧みたときに、盲学校の生徒のみなさんはきっと筐体も触りたくなるのではないか? と考えたところから始まります。だったら、「触りたくなる、形の変わったデザインを」となって、触れる気持ちよさのあるデザインについて、中山健次郎とともに試行錯誤を続けました。そして、柔らかみがあって、ちょっと不思議な形をしているという方向性が見えてきました。
勇亮:コンセプトは「雲、クラウド」です。インターネットで周りとつながることができる、何でもつながり、何でも生み出せる。ベンディングマシンのような形状も別案としてありましたが、クラウドの方がより有限な感じがしない分、今回のコンセプトと合致していると判断しました。
筐体は削り出し発砲スチールで、オイルコーティングをかけながら整形していった。子どもたちが触ることを前提に、柔らかめの材質で制作。筐体の大きさ、高さも子どもの目線を意識して設計している

筐体は削り出し発砲スチールで、オイルコーティングをかけながら整形していった。
子どもたちが触ることを前提に、柔らかめの材質で制作。筐体の大きさ、高さも子どもの目線を意識して設計している

―検索やプリンタの実装面、仕組みについては、いかがでしょうか?
Saqoosha:簡単に言うと、筐体にある赤のボタンを押すと音声検索がオンの状態になって、マイクの入力がオンになります。ボタンを離すとオフです。中身はすべてMacで制御しています。マシンの画面は、タッチパネルとしての役割も担えるように、iPadを使用しました。
「さわれる検索」の実装内容を示した概要図。Mac側は、Adobe AIRで構築。ボタンの信号をArduinoを用いて受け取り、音声認識によってデータを検索およびダウンロードして、プリンタにそのデータを渡すようにしている

「さわれる検索」の実装内容を示した概要図。Mac側は、Adobe AIRで構築。ボタンの信号をArduinoを用いて受け取り、音声認識によってデータを検索およびダウンロードして、プリンタにそのデータを渡すようにしている

Saqoosha:3Dプリンタ制御まわりのソフトウェアがオープンソースになっていたので、取り組みやすかったです。データベースから3Dデータを検索してプリントするまでの一連の工程を自動化するのですが、あまり迷うことなく進められました。
田中:Saqooshaが入るプロジェクトでは、彼がソフトウェアまわりを担当してコードを書くので、自分はあまりコードを書く必要がなかったですね。それよりもハードウェア周りの開発や、3Dプリンタの特性を理解して、より正確にきちんとプリントできる3Dモデルデータがどのようなものなのかを探ることに多くの時間を割きました。
谷口恭介(以下 谷口):並行して、主に大阪チームが3Dデータの開発も担当しました。プロジェクトのロゴもそうです。弊社の体制の都合で、開発陣が大阪にいて、3Dプリンタが東京にあるので、3D化したデータの出力状況を気軽に確認できない問題がありました。例えばポリゴン数が多く、滑らかで綺麗なデータを東京チームに送っても、データ容量が重すぎて、出力用に変換する作業だけで数時間取られるケースがありました。こうした手詰まりを通して、徐々に最適なデータのあり方をつかめるようになりました。

子どもの声に対応できる音声認識システムを開発する

「さわれる検索」の音声認識システムで対応する言葉と、それに紐づいた言い間違えの可能性がある言葉をタグ化した表の一部

「さわれる検索」の音声認識システムで対応する言葉と、それに紐づいた言い間違えの可能性がある言葉をタグ化した表の一部

上條:音声認識については、子どもが話すことを前提とした対応策をとっています。音声認識システムは、基本的に大人の声に最適化されているので、子どもの声だとうまく認識されないことがあります。例えば、「星」と言っても「欲しい」「奉仕」など、別の似たような言葉に認識されてしまいます。テストを繰り返して、「星」と言った場合にどのような認識間違いの可能性があるかをあらかじめタグ化しておき、「欲しい」と認識されても「星」と表示されるようにデータベースを整理しました。3Dデータは、あらかじめ学校にヒアリングをして、子どもたちが触ってみたいものを約140個用意しました。
勇亮:この3Dデータについては、数社にデータ提供の協力を仰ぎました。はじめに、知人経由でアマナイメージズの社長にお会いし、無償協力にご賛同いただきました。海外から権利を借りているデータなどを省き、プリンタに適した3Dデータをご提供いただきました。ほかに、「スカイツリーを出したい」というリクエストがあったので東京スカイツリーさま、さらに日産さまから車のデータもご協力いただけました。
各社からご提供いただいた3Dデータをもとに出力したもの

各社からご提供いただいた3Dデータをもとに出力したもの

上條:さらにヤフーという場を活用して、ユーザーからデータを募れないかを検討しました。ヤフーさまは「Links for Good」という取り組みをされています。これは、ヤフーさまの総PV(ページビュー)の1%に当たる広告枠をNPOなどの非営利団体に無償提供するという取り組みです。NPOが希望すれば、彼らの情報に興味を持つであろうユーザーに無償で広告が配信されるという仕組みがあり、そこに「さわれる検索」も出稿させてもらいました。2013年11月時点で50以上のデータが集まってきました。
―今回取り扱う3Dのデータは、どのようなフォーマットで出力できるようになるのでしょうか。
北井:今回のプロジェクトでは「Stereolithography(.stl)」「Wavefront(.obj)」「3D Studio(.3ds)」「COLLADA(.dae)」という4つの形式をデータ投稿で採用しました。STL形式以外のファイルはSTL形式に変換したあと、「MakerWare」というMakerBot社のプリンタ専用のソフトウェアで、3Dプリンタ出力用のG-codeに変換して、実際に出力可能となります。

「さわれる検索」では数多くの3Dオブジェクトが必要でしたので、ゲーム制作会社のトーセさんにもご協力いただきました。約140の精巧な3Dオブジェクトを制作していただき、プロジェクトを支える大きな土台になりました。
―3Dモデリングについてはいかがでしょうか。
北井:出力に耐えうる最小の造形がどれほどになるのか、頂点はつながっていなくてもいいのか、ポリゴンに穴が開いてる場合はどうなるのか、などの疑問に対して出力チェックを行い、リスクヘッジした形状のモデリング制作をトーセさんにお願いしていました。

例えば、昆虫の足などの形状を忠実に再現しようとすると、3Dプリンタが再現可能な最小サイズを大きく下回るようで、出力に失敗するとよく起こる飴細工のような形状ばかりが出てきてしまいました。こうした場合は、出力できるレベルまで大きさを引き上げつつ、本来の形状を失わないギリギリのラインでモデリングするようにしました。子どもたちに「触って伝える」ものとして、絶対に嘘のない状態に仕上げることが、もっとも神経を使って取り組んだところです。
ユーザーからのデータは、管理画面上でリスト化しつつプレビューが見られるようになっている

ユーザーからのデータは、管理画面上でリスト化しつつプレビューが見られるようになっている

世界中に「必要」だと感じてくれている人がいる

―「さわれる検索」のお披露目の場として、盲学校での授業の様子についてもうかがいたいです。
筑波大学附属視覚特別支援学校での体験授業

筑波大学附属視覚特別支援学校での体験授業

上條:9月4日に筑波大学附属視覚特別支援学校で「さわれる検索」を用いた体験授業をやらせていただきました。
当日は限られた時間内に多くの子どもたちが実際に体験できるように、いくつかのフェーズに分けながら授業を進めた

当日は限られた時間内に多くの子どもたちが実際に体験できるように、いくつかのフェーズに分けながら授業を進めた

上條:当日は、「さわれる検索」を体験してもらいつつ、子どもたちにもわかるよう簡単に仕組みの説明をしました。クイズなども交えながら、楽しんでもらえることを心がけて授業を進めていきました。授業後、マシンは副校長の星祐子先生の部屋に常設して体験できるようにしています。
―現場での運用はうまくいっているのでしょうか。
上條:3Dデータの出力時間、約1時間を見越して、休み時間に触りたいものを検索しておいて、授業を受けて、次の休み時間に出力されたものを取りに行くというサイクルでご活用いただいています。今(2013年11月現在)は弊社スタッフが定期的にメンテナンスにうかがうようにもしています。確かに課題は残されていますが、星先生のご協力もあって、無事に運用が継続できている状態です。
子どもたちから「さわれる検索」への御礼の手紙もいただきました。

子どもたちから「さわれる検索」への御礼の手紙もいただきました。

―今後のサポート体制も重要ですね。
勇亮:さわれる検索マシンは、筑波大学に寄贈が決定しています。正式に寄贈する前までに、他の盲学校2校に1カ月ずつレンタルする予定です。今回のプロジェクト用に制作した3Dデータについては、Replicator 2を作る会社が運営するコミュニティサイト「Thingiverse」(http://www.thingiverse.com/)上で公開し、どなたにでも自由にプリントしてもらえるようにしました。

「音声検索からデータベースを引っ張ってきて、3Dプリンタに出力する」という、さわれる検索のために用意された一連の流れをつなぐアプリケーションについては、公開してダウンロードできるようにもしています。2013年11月時点では、Thingiverseからコンタクトがあって、Thingiverseのデータベースにアプリを入れてもらうようにしました。つまり、今回作った筐体そのものがなくても「3Dプリンタ」と「さわれる検索」アプリがあれば、どこでも「さわれる検索」マシンを作れるというわけです。
―海外にも普及していくと、もっと可能性が広がっていきます。
勇亮:うれしいことに、「さわれる検索」は海外メディアにも取り上げられています。現時点(2013年11月時点)では、弊社とThingiverseの両方のサーバから3Dのデータベースを参照する仕組みを作り、より多くのデータを取り扱えるようにしました。当初考えていた期限が来たからプロジェクトが終わるのではなく、さらに新たなスタートへとつなげられるといいですよね。
サイトには140の国と地域からのアクセスがあり、海外からの直接の問い合わせもあった。国内最大のポータルサイトを運営する“ヤフー”というメディアブランドの力が加わって、波及性の高い施策へと成長した

サイトには140の国と地域からのアクセスがあり、海外からの直接の問い合わせもあった。
国内最大のポータルサイトを運営する“ヤフー”というメディアブランドの力が加わって、波及性の高い施策へと成長した

勇亮:同じ志を持つ方からの問い合わせとして、インドの眼科医の方が行っていらっしゃる「FITTLE (フィットル)」(http://www.fittle.in/)という盲学生向け教育玩具プロジェクトからもご賛同の意思をいただきました。「さわれる検索」はすでにFITTLEの協賛を始めています。
―最後に、プロジェクトを通してのご感想をお聞かせください。
勇亮:「広告の未来」からスタートした企画であって、先に「いいことをしたい」という目的があったわけではないプロジェクトでした。ですが、たとえプロトタイプという段階でも、必要だと感じていただける方に届けられたこと。結果として、人に喜んでもらえるプロジェクトにつながったことを光栄に思います。
Saqoosha:不十分な点が多いので、完成後も割り切れない気持ちは残っていたのですが、盲学校の現場で実際に使ってくれている子どもたちの喜ぶ姿を見て、考えが改まりました。必要と感じてくださる方、心から喜んでくださる方がいるなら、今回のプロジェクトを実行した意義は大きかったのだと感じられるようになりました。

遠藤義浩

編集者。月刊誌『Web Designing』(マイナビ)など、主にWeb関連をテーマに扱う媒体で編集を務める。